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「野村AMの米国ETFと類似銘柄の比較」ETFコラム
8月16日の野村AMが米国のナスダック連動型とダウ連動型の二つのETFを大阪証券取引所に上場させると発表しました。今回はこの二銘柄と既存の類似銘柄との比較を中心にみていこうと思います。
まずは両銘柄のベンチマークから確認しておきましょう。下記は目論見書の解説の一部を抜粋したものです。
■ナスダック連動型のベンチマークはNASDAQ-100指数で、米国のナスダック市場に上場している時価総額の大きい非金融業株式100銘柄で構成される株価指数です。(対象銘柄には、米国以外の企業の株式を含みます。)指数の計算方法は、浮動株調整済時価総額加重平均方式。
■ダウ連動型のベンチマークは米国の有名な大企業30銘柄で構成される株価指数です。対象となる銘柄は、米国に上場する、運輸株および公共株を除く全業種の株式です。指数の算出は、構成銘柄の株価の単純合計を除数で除算する方法によります。
大きな違いは、ナスダックが時価総額加重平均で投資先はIT企業中心、ダウは算出法の基本が株価の単純平均で投資対象は資本財や金融、日用品関連企業の比重が大きいということでしょうか。
どちらの銘柄も信託報酬は年率0.4725%(税込)です。既存銘柄と比較しようと思ったのですが、ナスダック指数に対する国内組成のインデックスファンドは存在しませんでした。ダウの方はといえば、通常の投資信託では中央三井ダウ・ジョーンズ・インデックスファンドがあり、信託報酬は年率0.7245%(税込)。ETFではSimple-X NYダウ・ジョーンズ・インデックス上場投信(1679、東証)があり、信託報酬は年率0.6075%(税込)、日々の売買代金は1千万円前後といったところです。
野村AMのダウETFはシンプレクス社の銘柄よりは投資家にメリットが大きそうですが、中央三井の銘柄と比べて優位と言えるかはちょっと微妙です。と言うのも、以前にシンプレクス社のダウETFが上場した際の社長インタビュー記事に載っていましたが、配当金に対する税務リスクの問題が影響するかもしれないからです。
(参考)『NYダウETF』(シンプレクス)
http://money.quick.co.jp/fund/selection/137.html
記事では核心部分をぼかしているのではっきりとしたことは言えませんが、ファンドが外国株式を直接保有した場合の税務の取り扱いに不明瞭なところがあり、二重課税となる恐れもあるようです。
ダウ構成銘柄全体で平均すると3%程度の配当利回りになりますので、もし上記の問題で配当額が、例えば1割減となった場合、0.3%のコストが掛かることになります。これは信託報酬の差を埋めるのに十分です。
ちなみに上記記事によるとシンプレクスのダウETFはケイマン籍の海外投信を経由するファンドオブファンド形式をとっており、配当額は少なくても30%減となるようです。
次に海外ETFにも目を向けると、ナスダック指数連動型ならパワーシェアーズQQQ(QQQQ)、ダウ連動型ならダイアモンズ(DIA)があります。この二つは米国ETF市場でも人気の銘柄であり、日々の売買代金は一銘柄で国内ETF市場を凌駕するほどの流動性を誇ります。純資産額も国内最大の銘柄を凌ぎます。管理報酬はQQQQが0.20%、DIAが0.18%です。
DIAやQQQQはネット証券の多くが取り扱っていますし、実は野村證券等でも売買可能です。海外ETFに投資する際は為替手数料などが掛かってしまいますが、既に外貨の準備がある場合などは、DIAやQQQQが有利な投資対象と言えそうです。
最後になりますが、野村AMのリリースでは「新しい二銘柄は株式に直接投資する国内初の外国株価指数連動ETF」ということがアピールされています。確かに、これまでのリンク債に投資するタイプやファンドオブファンド形式のETFと比べて管理コストの二重取りがなくなる点は大きいと言えます。ただ、新しい二銘柄とも現物出資は出来ません。
以前は現物出資がETFの大きな特徴の一つとして数えられていたように思います。現物出資の仕組みが管理コストの低下や、基準価額と取引価額の乖離の抑制に貢献すると言われていました。既存の外国株価指数連動型の銘柄において、基準価額と取引価額の大幅な乖離が散見される現状を打開するためにも現物出資を取り入れる努力が必要に感じます。
小畑 崇弘
情報提供:グローバルETFインサイト
サイトアドレス:http://etfinsight.jp/
